市内(愛知県春日井市)の中学に通う2年生のS.Kくんが行なうNゲージでまちづくり企画。
2009年12月より1年がかりでの構想です。
趣味で自宅の2階に大掛かりなNゲージ(1/150スケールの走る光る鉄道模型)を作ってると聞いていました。
そして、地域密着で地域の為になる事をしたいと言っているラーメン屋がありました。
そこのラーメン屋は、昼のランチタイムには行列が出来るお店です。店は小さく、お客さんが待つ時は外に並びます。カウンター席の背後、それも外にです。暑い夏でも寒い冬でもお客様は外で待ってくれています。
ガラス越しにカウンター席とその向うにある厨房で働くマスターの動きを見て待つ、そんなお客様の鏡のようなお客様が毎日毎日…。
待たせているお客さんに悪いなぁ…
とある日、マスターはNCPの理事長である高島に呟きました。
そこで、理事長の高島はヒラメキました!
お客様の行列と、カウンター席の間にある窓…窓の枠は奥行き20センチほどある…。
Nゲージを作ってる中2の男の子を知っているけど、彼に、この窓枠の所にNゲージを走らせてもらわない?
と提案。もちろん、S.Kくんと親御さんの了解が出たらの話だが。
マスターは即、OK。
で、S.Kくんと親御さんに話をし、S.Kくんとお父さんとで下見に行きました。
もちろん、結果は面白そうと、作ってくれるという返事。
多くの人に見てもらえる所に作れる楽しみ。費用は全部店持ちという、適当にはやれない楽しいプレッシャー。そして、それがまちづくりに繋がる遣り甲斐感。
そう、そのNゲージをまちづくりに活かしてしまおう。マスター自身も地域の為になりたいと言っていたからだ。
Nゲージに、地域のお店や会社を登場させてしまおうと考えました。
情報化社会となってデジタルでの繋がりがあっても、アナログの本当の意味の繋がりが薄くなってきている地域社会、そこに、アナログの繋がりアナログ情報が必要とされています。無料情報誌などのアナログ媒体もあるが、やっぱり範囲が広い。
ほんとに必要なのは、昔の商店街的範囲の顔の見えるアナログ情報であり、声の聞こえるアナログ情報、そんな範囲での人々の繋がりが必要だと感じていた。
そう、ラーメン屋に通える人達のいる範囲の地域のまちづくり。商店街規模のまちづくりなのだ。近くにこんな店が、こんな会社で働いている人がいる。そして、同じ店でいつも同じラーメンを食べていたという共通点から、人々は繋がっていくのではと考えました。
お客さんにとってのお馴染みのラーメン屋が地域のコミュニティーになる。昔の商店街にあった暖かい温もりのある地域の繋がりが再現できるのではないか…。
ハードからソフトへと、行政の動きや地域の動きが変わってきており、まちづくり、ネットワークづくり、連携、などいろいろ言われていますが、結局、そこに、本当の意味の繋がりが出来ていません。書類上、データ上だけのつながりになっている事が殆どなのです。
本当に意味のあるネットワークやつながり、連携が出来ないものか…そういつも思っていました。
この、Nゲージでまちづくりが、どう効果を現すか分かりませんが、Nゲージを作ってくれるS.Kくんにとって+になる良い経験になる事は間違いないし、それが人の役に立ったとなれば、更にS.Kくんに取ったら+αになると思っています。
既に、この構想はマスターがお客さんに話しており、評判は上々。
マスターとお客さんの繋がりが既に活発に…。
そして、既にマスター経由でお客さん通しが繋がり、コーディネイトもされています。
このNゲージまちづくりは、追って随時ここで報告していきます。ご期待下さい!
年末にNゲージ作成に必要な物は買いそろえました。制作に入っています。

平成22年1月24日
現地にて実寸合わせがありました。
エリア1がこんな感じになります。
エリアは3まであり、季節感や景観が変わっていきます。
平成22年3月13日
← 全体、リビングから居間までを占有中(2つの柱を迂回する設計です)
↓エリア1の街並み(予定) ↓エリア2の田舎の無人駅
 
 ← エリア2から3へ行く柱迂回路
山もまだまだ造りかけで白い
木々も植えられます。
終点の町→
周りに家や露店なども
ちょっと開けた町になる
予定です
平成22年10月3日
中学3年生になったS.Kくん、夏休みの間に受験勉強と部活、Nゲージ作成と頑張ってくれました。そんなS.Kくんは、中学の生徒会長もやっています。
この日は、友達2人と一緒に仮設置にやってきました。
上手に柱を迂回すること2回、最後まで上手く繋がることができ、また走行試験でも何回か成功。
しかし、お客さんをNゲージから守るためにアクリルカバーを製作設置(壊して嫌な気持ちにさせないように)するのですが、そのアクリルケースとの兼ね合いで線路の連結部分の微調整が難しく、設置作業は来週へと続くこととなりました。
今回、Nゲージを設置しに来たS.Kくんと友達2人です。ナイーブなNゲージの設置に真剣そのものです。
路線周りには、お客さんの名刺を縮小コピーした看板が設置されます。店を接点に地域の人々が繋がっていく。インターネットが普及し、冷たいデジタルな繋がりが多くなっている今の社会において、こういった温かみのある、人の温もりの感じれるアナログの人の繋がりを見直し、もっと復活させていけたらと思っています。
来週いよいよ設置終盤です。Nゲージが設置されているラーメン屋は「ら〜めん茂一」地図リンクはココです。ぜひ、その力作を見に行きこのまちづくり企画に参加していただけたらと思います。
平成22年10月10日
この日、いよいよ開通です。
デリケートなNゲージの微調整を行い、幾度とない走行試験を突破し、基本形の完成となりました。
路線脇に立つ看板は、この地域に住む常連さん達の名刺を縮小縮小したものです。
ちょうど良いサイズが景観にマッチしています。
本物の名刺も壁にずらっと並び、お店に来た方達との接点となっていきます。
 
走る姿は、実物並みに圧巻です。リアルなジオラマセットが更に迫力を与えます。右の写真は、茂一のマスターにNゲージの操作方法を教えるS.Kくん。
これが基本形となり、今後、建物や景色に改良が加えられていきます。S.Kくんは受験勉強のため、しばらくはメンテナンスのみになりますが、1年・2年をかけて徐々に限られたスペースをよりリアルな空間に創り上げて行ってくれる事でしょう。
うちの店でも何か、地域のためになる事がしたい。地域のためになりたい。
そんな前向きで頼もしい考えの店主さんご連絡ください。
どんな形になるのか、どれだけ時間がかかるかも分かりませんが、その地域に合ったお店に合った形を見つけて、共に地域のためになっていきましょう。
問い合わせは、NCPの高島 0568-92-8040 まで。 |