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小規模商店の再利用

 2008年の秋頃だろうか、NPO法人まちのエキスパネットが主催する「ふれあいPUB」(まちづくりを考える人達が集まる交流会)へ久しぶりに参加したときだ。
 自分の持っている土地や建物を何か有効利用してくれる人を探しているという人を、代表の治朗丸さんから紹介されました。そう言って自己紹介されたとき、自分自身…う〜〜〜ん。???。へぇ〜。そんな他人ごとのような気でいました。
 そして、数か月が経ち、その方からメールが…。
 ホームページ(リニューアル前)を見ました。と、いろいろ感銘していただいて、メールをしてきてくれました。
 是非、物件を見に来て有効利用を考えてほしいとのこと。
 現在、その方が会社を作ってやっている店舗物件だった。年齢も年齢なので、店をやめようと思っているが、そのために作ったこの建物をそのままにしておくのは広くてコストもかかるし勿体ない。建て直ししてもいいから何か使い道を模索してほしいと。

 実際に見に行かせてもらい、いろいろ考えや想いを聞かせていただきました。
 その当時、NCPまんまの施設工事が終わり、これから新しい事業所を動かしていく段階で、当法人では期待に答えられないかなぁ…と思い、当法人ではなくコーディネイトすることを考えました。
 そして、名古屋の方で事業をやっている当法人の理事に相談し、名古屋の大きな某社会福祉法人の方を紹介して頂きました。物件を見に来てもらいましたが、結果、難しいとの返事。

 う〜〜んどうしようか。

 児童デイサービスを自分でやりたいと言っていた当法人のパートさんに、物件の話があるけど…と紹介。
 いろいろアドバイスしながら計画していきましたが、結局、出来なくなり…。
 それが、2009年3月頃だっただろうか。
 NCPまんまの方も少し落ち着いてきたため、当法人で事業をやってみようか…と考え、優秀な人材が確保できなければ…と動きました。
 その当時、本職は別であり休日にヘルパーとして働きに来ていてくれた男性に声をかけました。
 事業所の構想を伝え、そこの長として迎えたいと…。
 すぐには無理だけど、秋頃からなら…と合意になりました。

 それから、そこの再利用を考え、毎度の如く理事長自らリフォーム?とはいっても今回の作業は少ない。
 建て直しも可と言われていたその土地と建物だが、使えるものは使い再利用する。低コストでやる事しか頭にない貧乏性の高島…そこにある店の商売もやめてしまわずに、再利用していく事を考えました。
 無駄のない、とことんリユースする。リユースの達人?です^_^;

 それで、出来上がったのが、「NCPさ〜くる」です。

 小売店や飲食店が、大規模化していっている今の商業界において、個人や小規模でやっている店は、店主の高齢化と共に店じまいされて消滅して行っています。お客さんがあっても、常連客があっても、息子に継がせるには利益が少ないお店…。サラリーマンの方が収入が高い…結局、店じまいとなっている所が多々ある時代となってきています。
 今回の件も同じような事で、その店主さんがただ店を閉めてしまうのではなく…、と動いてくれたおかげでこのような形になる事が出来ました。
 結果として、当法人にとって看板サービスとなる物を作ることが出来ました。

 今の障害児者が通う福祉事業所での仕事の多くは、かつての日本の末端の仕事でもあった、内職の仕事に近い物を行っています。しかし、内職の仕事は人件費の安い国に仕事が移り、少なくなってきています。
 内職という末端の仕事が今の福祉の仕事になった事を考えると、内職系の仕事が無くなってきている今、福祉の仕事はどこへ進めば良いのでしょうか。そこにあるのは、失われていった内職の仕事と同じ運命をたどりつつある、小規模の小売店、飲食店ではないだろうかと思う。
 内職の仕事では、地域と結びついて地域に出たとは言い難いが、小規模の小売店や飲食店の仕事だと、どうだろうか。地域の人達と接することができ、地域の中で表に出て仕事が出来るようになる。
 影にいた障害者達が表舞台へ一歩出られることになるのだ。
 そして、「Nゲージでまちづくり」にある構想のように、それぞれのお店がまちづくりの機能を有したらどうだろうか。障害者の生活も地域の生活も、いろんな人の為にとって良いまちが出来上がっていくと思う。

 もちろん、小規模商店の再利用は福祉事業所へとだけ進めば良いとは思っていない。他に有効的な再利用方法があれば、その可能性も探っていきたいと思う。

 固定客があり、常連客があり、それでももう歳だから…勿体ないけど、お客さんに申し訳ないけど…と店を終おうとしているなら、その有効的な再利用を考えて行ってみませんか。
  問い合わせは、NCPの高島 0568-92-8040 まで。